そこは、見渡す限り空が続く世界であった。
陸地が存在せず、点在する浮島のみが人々の暮らす地となった世界。
上を見ても下を見ても空が続き、世界の果てに何があるかは、誰も知らない。
この世界を照らすのは一羽の神と呼ばれる鳥だった。
神が飛びまわることで世界に昼と夜が訪れ、人々は空の中で生きていた。
翼のある翼の民、翼のないヒトの民。
2つの種族の争いが続く中、共存の意を掲げるレジスタンス空賊。
争いの因果により生まれた、人体実験のなれの果て人工翼。
神に選ばれし神官は、神の島と呼ばれる鳥の巣へ運ばれる。
ある者は種族の壁に悩み、ある者は空の果てを望み、ある者は無関係に生きていく。
永久に続く空の中で生きる人々の物語。